有相の浄土への往生という意味。無相往生の対。阿弥陀仏は大悲心から凡夫救済のために四十八願を立て西方に有相である極楽浄土を構えた。有相とは、宝樹、宝池などの具体的な様相があることだが、あくまで浄土の有相とは無相をふまえた清浄なる有相であり、勝義の相である。そのため、無相に劣るものではなく、娑婆の相と同じではない。その無漏清浄なる有相の浄土に阿弥陀仏が念仏の行者を往生させることを指して有相往生という。
【参照項目】➡有相・無相、有相浄土
【執筆者:宮田恒順】