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大乗法苑義林章

提供: 新纂浄土宗大辞典

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だいじょうほうおんぎりんじょう/大乗法苑義林章

七巻。略して『義林章』ともいう。唐・基撰。唯識教学の組織を明らかにしたもので、基による法相宗立教開宗の聖典ともいうべきもの。現行本は二九章あるが、八巻三三章本や、さらに一二巻本があったともいわれ、多くの異本が伝えられる書である。また現行本も完本とはいえない面がある。智周の『義林章決択記』には、総料簡章以下二八章を挙げ、最後の仏土章を欠いていることから、もともと本書には仏土章がなかったのではないかとする説もある。本書は『成唯識論述記』とともに法相宗の基礎となる書であり、現代の唯識研究のためにも重要な資料となるものである。聖冏は『糅鈔にゅうしょう』などに、本書を多く引用している。


【所収】正蔵四五、続蔵五五


【参考】「大乗法苑義林章解題」(国訳一切経、諸宗部二、大東出版社、一九三七)


【執筆者:金子寛哉】