疑いを晴らし、法(特に四諦)をよく弁別すること。『俱舎論』によれば「決とは決断けつだんを謂い、択とは簡択けんちゃくを謂うなり。決断簡択は、謂わく、諸の聖道なり。諸の聖道は能く疑を断じるを以ての故に、及び能く四諦の相を分別するが故に」(正蔵二九・一二〇上)とあり、決択とは決断簡択の意で、疑を断じ、四諦の相を分別する聖道、すなわち見道・修道・無学道の三道のこととする。また『大乗阿毘達磨集論』(正蔵三一・六七四上)では、決択に諦決択・法決択・得決択・論議決択の四種があるとする。
【執筆者:石田一裕】