選択本願念仏集奉戴八百年記念一宗法要
提供: 新纂浄土宗大辞典
せんちゃくほんがんねんぶつしゅうほうたいはっぴゃくねんきねんいっしゅうほうよう/選択本願念仏集奉戴八百年記念一宗法要
勤行式に選択集を取り入れる検討会編集。平成一〇年(一九九八)三月刊。『選択集』を撰述した法然を讃え、その報恩を顕す法要の経本。同年は『選択集』(建久九年〔一一九八〕)が撰述されて八〇〇年の吉辰にあたるため、『選択集』の文によって勤める訓読形式の法要次第が編集された。同年五月二二日、知恩院で一宗法要がこの経本の次第で厳修された(『浄土宗新聞』一九九八年七月)。式次第は、左導師が聖浄二門の文拝読、読経が名号万徳文・特留念仏文、三経意文(案三経意 諸行之中 選択念仏 以為旨帰)、十念、右導師が選択集撰述「述懐抄」拝読、選択集御詠歌、中導師が「奉修選択本願念仏集奉戴八百年 法然上人報恩謝徳」と回願する。また、静岡光心寺北山良祐は昭和三三年(一九五八)より『選択集』を抜粋した御忌法要を勤め、平成一〇年四月増上寺の御忌会で自らこれを厳修した(『浄土宗新聞』一九九八年四月)。これに基づいて、増上寺では同年一〇月二〇日、『選択集』を抄録した『選択本願念仏集奉戴八百年記念法要次第』(同年一〇月)によって厳修した(『三縁』四七九、四八一号、同年)。同年四月より長野善光寺の御忌では『選択本願念仏集奉戴八百年記念法要差定』(長野教区浄土宗青年会、同年四月)に則って毎年厳修している。
【参考】西城宗隆・清水秀浩「『選択集』法要化の試案」(『教化研究』九、一九九八)
【執筆者:西城宗隆】