浄意
提供: 新纂浄土宗大辞典
じょうい/浄意
一二~三世紀頃、生没年不明。貴族層と関わりをもった尼念仏者。「逆修功徳願文」によると、病のため六〇歳のとき「一上人」の唱導によって発心し、専修念仏の行者となったとされる。その後順次往生を願い阿弥陀仏像一体を造立し、経典を書写し、「一上人」の導師により逆修供養したという。この「一上人」とは、専修念仏非難の時期であったため名前を出していないが法然もしくは念仏房であるとされる。なお、聖覚の妹の浄意尼とは別人である。
【資料】『本朝文集』六四(『国史大系』三〇)
【参考】伊藤唯眞「念仏聖の活躍と社会的基盤」(『聖仏教史の研究』上〔『伊藤唯眞著作集』一〕、法蔵館、一九九五)
【執筆者:笠島崇信】