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山王神道

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さんのうしんとう/山王神道

天台神道とも称される、中世の神仏習合の教理に基づく仏教神道の一つ。山王とは日吉神社のことで、その本地は釈尊であり、垂迹すいじゃくして日吉神になったことから山王権現ともいわれる。最澄が唐より帰国した後、天台山国清寺が山王元弼真君げんひつしんくんを護法神としていたことから、それにならって延暦寺の地主神として日吉権現を祀ったことからはじまるとされている。山王神道の中心思想は、山王の山が竪三横一、王が竪一横三の字画であることから、竪と横それぞれが天台教理の一心三観三権さんごん一実三諦即一という天台教理の根本思想を表し、それを神祇が統一すると考えられた。山王神道は『耀天記』『渓嵐拾葉集』などに説かれているが、江戸時代の初めには天海によって『法華経』の三権一実思想と結合して山王一実神道が立てられた。


【参考】菅原信海『山王神道の研究』(春秋社、一九九二)


【参照項目】➡神仏習合


【執筆者:工藤美和子】