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三念願力

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さんねんがんりき/三念願力

衆生阿弥陀仏の三種の力のはたらき(大誓願力・三昧定力・本功徳力)を加念されることによって見仏できるとする説。三力あるいは三事と略称されることもある。善導観念法門』中の「五種増上縁義」に「即ち是れ弥陀仏の三念願力、外に加するが故に見仏せしむることを得。三力と言うは即ち『般舟三昧経』に説いて云うが如きは〈一には大誓願力を以て加念するが故に見仏することを得。二には三昧定力を以て加念するが故に見仏することを得。三には本功徳力を以て加念するが故に見仏することを得〉と。已下の見仏縁の中、此の義に例同す。故に見仏三昧増上縁と名づく」(浄全四・二三〇上)と説き、三念願力見仏三昧増上縁と名づけている。良忠は『観念法門私記』において、三種の力用は「一切諸仏通総の功徳」(浄全四・二六二下)であり、阿弥陀仏はこの三力をそなえているという。また加念について、加とは加被かび、念とは護念なりと釈している。


【参照項目】➡加被護念


【執筆者:工藤量導】