寺内に止住して諸役を奉仕する者。俗体のままで雑用を勤める者。『華頂山大法会図録元祖円光大師六百五十年忌図録』(万延二年〔一八六一〕)に見られる役名。同書の「大僧正行列之図」には、雑色に続く先進の役と六役の次に長老大衆を誘引する役として描かれている。また「勅使贈号勅章宣揚」の場面では、金戒光明寺・知恩寺・清浄華院方丈の後方に控える接待役として、「堂内初讃唱導之図」では、誌公帽子を着けた行者が二人は東脇壇で控え、一人は須弥壇西側で仏器のようなものを運んでいる模様が描かれている。
【執筆者:清水秀浩】