一巻。中国清・了根纂註。乾隆四九年(一七八四)に成立したという。袾宏の『阿弥陀経疏鈔』を主にして、また王日休の『龍舒浄土文』を参考にして、『阿弥陀経』を解釈した書。末法には福徳の修得によって往生することは非常に難しいが、念仏は簡易けんい・直捷じきしょうであるため、それによる往生は得やすいことが説かれている。その念仏思想は袾宏の『阿弥陀経疏鈔』に説かれた信・願・行の称名念仏である。末尾に「抜一切業障根本得生浄土神呪」(往生呪)と跋文を記している。
【所収】続蔵二二
【参考】望月信亨『中国浄土教理史』(法蔵館、一九四二)
【執筆者:肖越】