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蓮門精舎旧詞

提供: 新纂浄土宗大辞典

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れんもんしょうじゃきゅうし/蓮門精舎旧詞

五〇冊。元禄・享保年間(一六八八—一七三六)に浄土宗寺院の沿革を全国的規模で調査集録したもの。これよりさき元禄八年(一六九五)総録所増上寺で宗政上の動機から全国寺院の由緒調査が企画され、越後・信濃・美濃・尾張を結ぶ線以東は増上寺、以西は知恩院が分担して末寺からの調書を集めることとし、同一一年に完了した。享保五年(一七二〇)知恩院増上寺に東国の異流末寺や関東檀林などの由緒書の複製・送付を求め、知恩院ではこれを選宣編綴し、ここに全国全系門末の全由緒書が備わった。これが『某国蓮門(蓮宗)精舎旧詞』である。元禄の調査は所在地・所属の本寺・寺名(院号山号)・開山(または中興開山)の生国・姓氏・得度付法の師匠・修学檀林・移動歴住の時処・没年時・その他の項目で行われているが、このような一定の調査項目で全国的規模で集積された寺伝資料は、明治政府が徴集した寺院明細帳以前には他に匹敵するものがなく、教団研究上きわめて貴重である。


【所収】続浄一八、一九


【参考】竹田聴洲「蓮門精舎旧詞の成立とその史料的性格」(佛大紀要四二、四三、一九六三)、同「民俗仏教と祖先信仰」(国書刊行会、一九九三)、同「蓮門精舎旧詞解説」(『浄土宗典籍研究』山喜房仏書林、一九七五)


【執筆者:宇高良哲】