—明治一二年（一八七九）四月七日。観蓮社称誉念阿真相。播磨国揖東いとう郡の人。父は田淵彦左衛門。天台学者であり、叡山安楽律院に住す。徳本の弟子徳住より浄土の教えを聞き、浄土宗に転宗し、増上寺で天台学を講演した。山城の阿弥陀寺に住し、研学するとともに阿字観や月輪観を修しながら隠遁の生活を送った。知恩院で勧学所が開かれると一心院に転住し、五四世の住職となり、毎日勧学所で天台の講義をした。著書に『天台戒疏講述』、『十不二門講述』がある。
【資料】石橋誡道「勧学勤息上人」（『芸術摩訶衍』三一）、藤本了泰『修訂 浄土宗大年表』（山喜房仏書林、一九九四）
【執筆者：田中芳道】
