師僧と弟子の面授による口訣相承に対して、直接の口訣を必要としない師資相承のこと。聖冏の『直牒じきてつ』(浄全七・四九六下)および『浄土真宗付法伝』(続浄一七・三〇五下)には、曇鸞から道綽への相伝には面授による口訣がないではないかとの問いに対して、相承には大別して口訣相承と依用相承の二種があり、曇鸞から道綽への相伝は、口訣ではなく依用相承によるとしている。また、聖聡は『選択口伝口筆』において、依用相承が経巻相承および超越相承にあたると述べている(浄全七・六三四上)。
【参照項目】➡経巻相承、直受相承
【執筆者:工藤量導】