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本願帰命之十ヶ条

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ほんがんきみょうのじっかじょう/本願帰命之十ヶ条

法然が語ったものと伝えられるが、偽撰とする説が有力。「南無帰命」について解釈する九ヶ条、あるいは十ヶ条の法語からなる。合計十ヶ条のうち、第四ヶ条と第五ヶ条とを合併し、合計九ヶ条になっているものもある。憲栄『蔵外法要菽麦しゅくばく私記』では、本書の奥書に、建長二年(一二五〇)の法然の記があり、この年はすでに法然が亡くなっているため矛盾することを指摘、また内容も浄土宗義に反するとし、偽撰説を主張する(真宗全書七四、六〇)。さらに僧樸『真宗法要蔵外諸書管窺録』では、本書には密教の影響があるとする(真宗全書七四、九四~五)。


【所収】昭法全


【執筆者:角野玄樹】