口称念仏こそが阿弥陀仏の本願にもとづく往生の行であるということ。『無量寿経』の第十八願を指す。諸行本願に対する語。『選択集』三において「弥陀如来余行を以て往生の本願とせず、ただ念仏を以て往生の本願と為たまえるの文」(聖典三・一一三/浄全七・一五)と題して、称名念仏が阿弥陀仏の本願の行であることを詳述し、結論として「聖意測り難し」としながらも「勝劣の義」「難易の義」の二つの側面から口称念仏のみが阿弥陀仏の平等の慈悲に適う行であることを論じている。
【参照項目】➡選択本願念仏
【執筆者:渋谷康悦】