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念死念仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ねんしねんぶつ/念死念仏

いつ迎えるともしれない自身の臨終を、常に意識して日々念仏行に励むという、称名念仏をする上でのあるべき心の持ちようを表した語。聖光の『念仏三心要集』の末尾に「念死念仏常途用心、已上、師の仰せ当に意得べし」(浄全一〇・三九五下)とあるのが初出で、「師の仰せ」が誰の言葉かは明らかではないが、聖光の事跡を説く『四十八巻伝』四六に「安心起行の要は、念死念仏にあり」(聖典六・七二二)といい、『祖師一口法語』(『浄土仏教古典叢書』「一言芳談抄 祖師一口法語 全」)にも「聖光上人云」として同様の文があり、法然の思想の全体像を踏まえた上での聖光の思想として扱われている。聖光は他にも『西宗要』で「西方念仏者の一大事の因縁は命終最後の一念の時の用心なり」(浄全一〇・二一〇下)というなど、臨終時を意識する姿勢が特徴的である。


【参考】藤堂恭俊「念死念仏」(『浄土宗学研究』二七、知恩院浄土宗学研究所、二〇〇〇)


【参照項目】➡念仏三心要集


【執筆者:郡嶋昭示】