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子元

提供: 新纂浄土宗大辞典

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しげん/子元

一二世紀頃、生没年不明。中国宋代の僧侶。宋代浄土白蓮宗の創始者。万事休と号した。平江崑山(現・江蘇)にて茅氏の家に生まれる。幼くして父母を失い、一九歳で出家。その後、廬山慧遠の遺風を慕い、人々に三宝帰依五戒受持を勧め、称名念仏の五声によって五戒が修得されるとして、広く浄縁を結ぶように勧めた。さらに、『大蔵経』の要旨に基づき『蓮宗晨朝懺儀』を編集し、仏を礼拝しながら懺悔し、安楽浄土への往生を祈念した。また、淀山湖畔に白蓮懺堂を創立し浄土念仏行を修めた。四六歳のとき、彼の教えが邪教とされ、本人も江州(現・江西省九江県)に配流されたが、そこでも当地の庶民らに教化した。紹興三年(一一三三)赦免され、高宗の詔に応じて講じ、「慈照宗主」の号を賜ったという。乾道二年(一一六六)三月二三日、八一歳で普建の家で亡くなったとされるが、定かではない。著作に『円融四土三観選仏図』『浄土十門告誡』『仏念五声』『蓮宗晨朝懺儀』『西行集』『弥陀節要』『勧人発願偈』『法華百心』『証道歌』『風月集』等がある。


【参考】震華『中国仏教人名大辞典』(上海辞書出版社、一九九九)、望月信亨『中国浄土教理史』(法蔵館、一九四二)、藍吉富他『中華仏教百科全書』(中華仏教百科文献基金会、一九九四)


【執筆者:肖越】