しんじんいほん/信心為本
浄土真宗で、往生浄土の正因は信心のみであるとする教義のこと。信心正因ともいう。親鸞は『正像末和讃』に「不思議の仏智を信ずるを 報土の因としたまえり 信心の正因うることは かたきがなかになおかたし」(真宗聖典七二七下)と示す。法然の「念仏為本」(浄土真宗伝承本『選択集』、昭法全三五〇)をうけ、その念仏のうち自力称名の立場を選捨し、如来回向の名号を領受し、本願の道理に信順する一念に往生が決定すると説く。その信心も如来回向の信とされる。
【参照項目】➡信心、念仏為本
【執筆者:藤田真隆】