誕生仏に香湯(甘茶)を灌沐するときに用いる偈文。「我今灌沐釈迦仏がこんかんもくしゃかぶ 浄智功徳荘厳聚じょうちくどくしょうごんじゅう 五濁衆生令離苦ごじょくしゅじょうりょうりく 願証如来浄法身がんしょうにょらいじょうほっしん」。『仏説浴像功徳経』(正蔵一六・七九九中)に出る。原典では「釈迦仏」を「諸如来」とし、「苦」は「垢」である。『浄土苾蒭びっしゅ宝庫』下(六ウ)では原典のままで偈題を「浴仏偈」とする。如来を洗浴することによって、五濁の衆生が清浄なる法身になるように願う意。灌仏会では、導師がこの偈文を唱えているときに三度灌沐する。
【参照項目】➡灌仏会
【執筆者:巖谷勝正】