—元文五年(一七四〇)八月八日。即蓮社念誉。字あざなは常知。姓は橋本、江戸の人。幼い頃発心して、増上寺で得度した。常に『一枚起請文』を読誦してその心行を研究した。自写の名号を本尊として西壁に懸け日課念仏一〇万遍を怠ることがなかった。臨終のとき、西方に向き端座して合掌し、口称念仏のうちに寂す。光源寺(東京都文京区)に葬られた。
【資料】『新撰往生伝』四(浄全一七)、『近世念仏往生伝』第五編巻一(大橋俊雄編『専念寺隆円上人集』大和学芸図書、一九八一)
【執筆者:田中芳道】