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末期の水

提供: 新纂浄土宗大辞典

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まつごのみず/末期の水

臨終間際、あるいは死亡直後の人の口を、水で潤す儀礼、またその水のこと。俗に「死に水」ともいう。『諸回向宝鑑』には「臨終の時は喉唇が乾くので、加持した土砂を浄湯にまぜ、その清湯を紙に浸し、時々に少しずつ潤す」(五・一四ウ)とその作法を記している。一般には、死に行く人と縁の近い者から、順に行うのがしきたりとされ、新しい筆や、先端に綿を巻いた箸などに水を含ませて唇を潤す。仏教的には「遊行経」に説かれる「釈尊が臨終間際に水を求められたとき、雪山に住む鬼神が、八種の浄水を鉢に盛って奉上した(趣意)」(『長阿含経』正蔵一・一九下~二〇上)との故事に由来する臨終作法とされる。


【資料】『長阿含経』三、必夢『諸回向宝鑑』


【参照項目】➡葬送儀礼


【執筆者:熊井康雄】