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天下和順

提供: 新纂浄土宗大辞典

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てんげわじゅん/天下和順

祖山声明伽陀。「天下和順てんげわじゅん 日月清明にちがっしょうみょう 風雨以時ふうういじ さい󠄂不起れいふき」。天下泰平を願って唱える祝聖文。出典は『無量寿経』(聖典一・一二二/正蔵一二・二七七上)。合曲盤渉ばんしき調、出音しゅっとん商。「祝聖文」の前半四句は「前伽陀」として唱え、後半四句を「後唄」として唱える。「国豊民安こくぶみんなん 兵戈無用ひょうがむゆう 崇徳興仁しゅうとくこうにん 務修礼譲むしゅらいじょう」律曲双調、出音羽。昭和五七年(一九八二)宗祖降誕八五〇年慶讃法要では前伽陀として、句頭が「天下和順」、大衆が「災厲󠄂不起」と唱えて、心浄偈後唄を唱えた。


【参考】『浄土宗声明集』(知恩院、二〇一〇)


【参照項目】➡祝聖文


【執筆者:太田正敬】


増上寺山内寺院による元旦の「正月祝坐中之法式三段式)」で唱える伽陀。「天下和順てんげわじゅん 日月清明にちがっしょうみょう 風雨以時ふうういじ 国豊民安こくぶみんなん」の祝聖文で、「災厲󠄂不起」と「兵戈無用」以下の文は唱えない。『三段式 正五九 勤行式 芝山内寺院』(平成九年〔一九九七〕一月)には、「法鼓 喚鐘 入堂外陣げじん経机へ) 洒水 伽陀天下和順)(外陣法要)」とある。「光明伽陀」の譜面で唱えている。『法要集』(明治四三年版)には、「天下和順」の博士が掲載されているが、『声明並特殊法要集』(増上寺遠忌局、一九四一)以降の声明譜には、「天下和順」を掲載していない。


【録音資料】千葉寛定『声明』(声明愛好会・ピッパラ、一九七七)


【参照項目】➡三段式祝聖文


【執筆者:西城宗隆】