笙
提供: 新纂浄土宗大辞典
しょう/笙
雅楽の管楽器。吹口が付いた匏に長短一七本の竹管を環状に立てた形状で、鳳凰が翼をおさめた姿を表しているので、鳳笙ともいう。一七本のうち二本は無音で、一五本には簧(リード)をつけ、竹管の下にある小さい孔(指孔)を押さえることによって、吹いても吸っても音が出る。合竹という五、六音からなる和音による演奏を主とし、その音色は「天の声」を表しているともいう。仏前奏楽は三管三鼓によるが、要偈道場や正授戒などで伝灯(戒)師が右繞三匝をするときをはじめ、導師が転座する場合にも笙のみで演奏することもある。西方極楽浄土の妙なる調べの具現化として、「観経曼陀羅」に笙が描かれている。
【参照項目】➡雅楽
【執筆者:伊藤広喜】