じゅみょうむりょうがん／寿命無量願

『無量寿経』に説く、阿弥陀仏の四十八願中第十三願の願名。道光『無量寿経鈔』による。義寂は「得寿久住願」（『無量寿経述義記』中、恵谷隆戒『浄土教の新研究』四二一）、智光と良源は「寿命無窮難可測量願」（『無量寿経論釈』三、恵谷隆戒『同』四七六／『九品往生義』浄全一五・一六下）と呼ぶ。成仏したなら、自身の寿命の長さについて、たとえ無限に近い年月であってもその限界を設定できないようにしたい、という願。法然は『三部経釈（三部経大意）』に「またこの願久しく衆生を済度せんがために寿命無量の願を立てたまえり」（聖典四・二八八／昭法全三二）と述べて、この願が時間的に永く衆生を摂取するためであり、第十二願の光明無量願が空間的に広く摂取するのと併せて、一切の衆生に阿弥陀仏との縁を結ばせようとして立てられたものとする。なお、『無量寿経』上の後段に見える「また無量寿仏の寿命長久じょうくにして、称計しょうげすべからず」（聖典一・二三八／浄全一・一三）以下はこの願の願成就とされる。『大阿弥陀経』の第十九願、『平等覚経』、梵本、チベット訳の第十五願、『無量寿如来会』の第十三願が対応し、『無量寿荘厳経』には対応する願がない。

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【資料】『無量寿経鈔』三、『無量寿経随聞講録』上之二

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【参考】香川孝雄『無量寿経の諸本対照研究』（永田文昌堂、一九八四）

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【参照項目】➡光明無量願、四十八願

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【執筆者：齊藤舜健】