「根本智・後得智」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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こんぽんち・ごとくち/根本智・後得智
根本智は無分別智、すなわち間違った分別のない智慧(Ⓢnirvikalpa-jñāna)ともいわれ、ブッダのもつ超世間的な真実の智慧をいい、後に後得智を生ずるので根本智といわれる。後得智(Ⓢpṛṣṭhalabdha-jñāna)は後得清浄世間智ともいわれ、根本智が衆生の済度にはたらくために世間的に具現した智慧をいう。すなわち根本智は自らが覚る「自覚」であり、後得智は他を覚らしめる「覚他」にあたる。釈尊の樹下成道と梵天勧請による衆生救済をブッダたるものの智慧と位置づけると、それぞれを「覚り」と「慈悲」と考えることができる。また、良栄理本の『往生礼讃私記見聞』下では、「この二智に従って、即ち浄土化他荘厳を生ずるなり」(浄全四・七三二上)と解釈している。
【参照項目】➡智慧
【執筆者:吹田隆道】