分別を離れた智慧。真如を把握する智慧。Ⓢnirvikalpajñāna。無分別智は菩薩によって獲得される智慧であり、言語による分別作用を離れた物事の本質を把握する智慧である。玄奘訳『摂大乗論』増上慧学分に「般若波羅蜜多と無分別智と差別有ることなし」(正蔵三一・一四八中)と説かれるように、般若波羅蜜と同義ともされる。
【資料】『瑜伽論』菩薩地
【参照項目】➡虚妄分別、分別、根本智・後得智
【執筆者:石田一裕】