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「祈禱念仏」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:22時点における最新版

きとうねんぶつ/祈禱念仏

農作物の豊作や除災招福祈願して称えられる念仏。主に百万遍念仏双盤念仏などが用いられる。農耕に関するものとしては、虫送り、虫除け、根付け祈禱、五穀豊穣、雨乞い、土用祈禱、夏祈禱などがある。また除災招福に関するものとしては、疫病退散、病気平癒、無病息災、家内安全などを祈願して行われる。祈禱念仏を行った証に寺院からお札や名号を配られることが多い。奈良県吉野郡東吉野村には県無形民俗文化財として「木津川こつがわ祈禱念仏」が伝えられており、二百十日の前祈禱として太鼓や鉦を鳴らしながら踊り念仏が催される。祈禱念仏は、称える念仏および儀礼の際に用いる百万遍念珠や大念珠に超自然的な力や現世的な功徳を期待する民俗的心意に基づいた念仏信仰ということができる。


【参考】佛教大学民間念仏研究会編『民間念仏信仰の研究 資料編』(隆文館、一九六六)


【参照項目】➡祈禱


【執筆者:江島尚俊】