「理観念仏」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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りかんねんぶつ/理観念仏
三身即一の仏を観ずる念仏のこと。理の念仏とも、たんに理観ともいう。三世十方の諸仏の三身、普門塵数の法門、仏衆の法海、円融の万徳、無尽の法海を仏の一身に具えると観じ、さらには、その相好としての光明も三身即一の相好・光明であり、諸仏と同体にして万徳円融の相好・光明であると観じること。また、その一切を収めつくした仏と自身が一つに融合していくことを観じることであり、これを修めるには極めて高度な能力や資質を有し、しかもたゆまぬ精進努力が必要なことから最上の観想念仏とされる。源信は『往生要集』で、この観想念仏を事と理に大別し、理観に堪えることができないものは、事観を修し、さらにそれすらも修せないものは、帰命・引摂・往生の三想を通じて一心に称念せよとし、その難行性をうかがわせている。
【執筆者:和田典善】