「問答」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版
もんどう/問答
一
問いと答え。質問者の問いかけに回答者が答えること。またはそれを互いに繰り返すこと。経典の多くは他者からの質問に対して仏が答えたものであり、問答形式となっており、中には『梵天所問経』や『目連所問経』など質問者の名を題名とするものもある。また経典以外にも論疏等においてもその内容が問答形式で記される場合が多く、仏教典籍の特徴ともいえる。
【執筆者:兼岩和広】
二
各宗派の教義に関する宗派間の論議を問答と名付けることが多い。浄土宗においては、文治二年(一一八六)法然が顕真の請に応じ、大原の勝林院において浄土宗義についての論談が行われたが、これを「大原問答」と称する。また、天正七年(一五七九)織田信長の命により安土の浄厳院で行われた浄土宗と日蓮宗との宗論を「安土問答」と呼ぶ。
【執筆者:兼岩和広】
三
禅家における問答。禅宗においては子弟教育や学人接待の手段として問答が用いられてきた。商量や問酬とも言い、弟子の疑問に対して師家が答えたり、修行者同士が論議をしたり、またそれらを審議したりもする。これら禅家における問答を禅問答とも称するが、禅の実践として行われる問答であるため、一般には意味不明で理解し難い場合が多く、そこから、ちぐはぐな問答のことをたとえて禅問答と呼ぶ場合もある。
【執筆者:兼岩和広】