「回願」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:20時点における最新版
えがん/回願
一
願いをめぐらすこと。浄土教では特に称名念仏の善根をめぐらし、阿弥陀仏の浄土への往生に願いを差し向けることとして捉えられることが多い。聖光の『西宗要』には「回願とはこれ三心の中の第三回向の願なり」(浄全一〇・一四六下)といって回向発願心がこれにあたるとし、『授手印』の回向発願心の四句には「西方回願、余事回願、西方余事回願、非西方回願非余事回願」(聖典五・二三五)の四句を示し、「西方回願」こそ浄土宗の念仏行者の本意の願であるとしている。
【資料】『西宗要』『授手印』(共に浄全一〇)
【参考】阿川文正「『末代念仏授手印』解題」(聖典五)
【執筆者:郡嶋昭示】
二
すべての善根をふりむけて、浄土往生を願うこと。転じて、亡き人の菩提を念ずるという回向(追善回向)と同義として用いている。『法要集』には、釈尊・弥陀・列祖に対して「御回願」と称し、追善法要では別回向として区分している。
【執筆者:和田文剛】