「奠茶の儀」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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てんさのぎ/奠茶の儀
献茶する儀式。仏祖の宝前に濃茶薄茶を点てて献じる儀式をいう。献茶式・供茶式・奠茶式ともいう。『浄土苾蒭宝庫』下には奠茶の儀の文として、茶を献じて三拝してからこの文を唱えるとある。「香茗甘露味 供養諸三宝 令今施主得 無量波羅密」(六オ)。「よきかおりと美味な茶を三宝に供養し奉る。今、これを施す者に計り知れない智慧を獲得させて下さい」の意。出典不詳。知恩院の献茶式(供茶式)では、献供呪・献供偈を唱えて大師前に供え、この奠茶の儀の文は唱えていない。また同御忌日中法要では、献香・献菓・献茶してから法要が始まる。表葬式のときは、仏祖の宝前に茶湯を献じた作法から転じた儀式である奠湯・奠茶を行う。晋山式の堂内式が終わった書院で、新命に茶湯をすすめる作法を書院式・茶昆布式という。
【執筆者:西城宗隆】