「天下和順」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:29時点における最新版
てんげわじゅん/天下和順
一
祖山声明の伽陀。「天下和順 日月清明 風雨以時 災厲󠄂不起」。天下泰平を願って唱える祝聖文。出典は『無量寿経』(聖典一・一二二/正蔵一二・二七七上)。合曲盤渉調、出音商。「祝聖文」の前半四句は「前伽陀」として唱え、後半四句を「後唄」として唱える。「国豊民安 兵戈無用 崇徳興仁 務修礼譲」律曲双調、出音羽。昭和五七年(一九八二)宗祖降誕八五〇年慶讃法要では前伽陀として、句頭が「天下和順」、大衆が「災厲󠄂不起」と唱えて、心浄偈の後唄を唱えた。
【参考】『浄土宗声明集』(知恩院、二〇一〇)
【参照項目】➡祝聖文
【執筆者:太田正敬】
二
増上寺山内寺院による元旦の「正月祝坐中之法式(三段式)」で唱える伽陀。「天下和順 日月清明 風雨以時 国豊民安」の祝聖文で、「災厲󠄂不起」と「兵戈無用」以下の文は唱えない。『三段式 正五九 勤行式 芝山内寺院』(平成九年〔一九九七〕一月)には、「法鼓 喚鐘 入堂(外陣の経机へ) 洒水 伽陀(天下和順)(外陣法要)」とある。「光明伽陀」の譜面で唱えている。『法要集』(明治四三年版)には、「天下和順」の博士が掲載されているが、『声明並特殊法要集』(増上寺遠忌局、一九四一)以降の声明譜には、「天下和順」を掲載していない。
【録音資料】千葉寛定『声明』(声明愛好会・ピッパラ、一九七七)
【執筆者:西城宗隆】