「伝教講習会」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:29時点における最新版
でんぎょうこうしゅうかい/伝教講習会
明治三一年(一八九八)七月一二日発布の「伝教講習会規則」によって定められた布教師錬成のための講習会。各大教区において開会され、宗乗(論題講義)・余乗(論題講義)・練習(説教法話)の三学科の講習を行い、六期を経て卒業となる。第五大教区(京都)の学科を例に挙げれば、宗乗は第一期に「授手印・疑問抄」、第二期・三期「東宗要」、第四期「四帖疏」、第五期「往生論註」、第六期「選択集・大原談義」。余乗は第一期「原人論」、第二期「心地観経」、第三期「浄土或問」、第四期・五期「起信論」、第六期「大乗止観」、練習は全期を通して「止依経文・列祖法語」、科外として国語・漢文・史伝・法式等の講習となっている。なお、入会するには『一枚起請文』(講弁)・『無量寿経』五悪段(筆記)等の試験に合格しなければならない。全科を修了し卒業した者は、三級巡教師に任用された。初めは各大教区において開会されたが、後に伝教講習の地方での普及を目的として、一期一〇日間の伝教講習支会が各小教区でも開会された。明治四一年(一九〇八)五月頃まで開催されていた。
【参考】『浄土宗現行宗制法規類纂』(一八九五)、『浄土宗制規類聚』(一八九八)、『浄土教報』三三三~三三五
【参照項目】➡巡教師
【執筆者:八木英哉】