「古年童」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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こねんどう/古年童
寺院で雑役をする者。『四十八巻伝』一三に「南都興福寺の古年童は、上人清水寺にて説戒の時、念仏を勧め給うを聞きて、帰敬渇仰の余り、やがて発心出家して、松苑寺の辺に、庵を結びて念仏しけるが、遂に霊瑞を感じ、高声念仏して往生を遂ぐ」(聖典六・一四一)とあり、興福寺で古年童の役を勤めていた者が、法然に帰依し往生を遂げたという。彼の往生の際には、能信が結縁のために如法経(写経)用の楮を植え、入棺の先火役をつとめた。同様の記事は『四巻伝』『琳阿本』『古徳本』『九巻伝』に見える。
【参考】法然上人伝研究会編『法然上人伝の成立史的研究』二〈対照篇〉(臨川書店、一九九一)
【執筆者:南宏信】