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「菩提心経」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:32時点における最新版

ぼだいしんぎょう/菩提心経

巻数、訳者等不詳。法然は『選択集』六で菩提心について広く説く経典としてこの経名を挙げている。そこでは聖道門の経が先に滅するのに対し、念仏を説く浄土門の経(『無量寿経』)は止住百歳であるとして、念仏門の永久性が強調されている。しかし『菩提心経』という名称の経典は、現在のところ伝わっておらず、鳩摩羅什訳『仏説荘厳菩提心経』か、闍那崛多じゃなくった訳『出生菩提心経』ではないかと見られている。聖冏は『直牒じきてつ』七(浄全七・五五七上)で、『菩提心経』とは『荘厳菩提心経』や『出生菩提心経』などの単独経典か、あるいは一般に菩提心を説くいくつかの大乗経典を指すと主張している。また存覚は『選択註解抄』二(浄全八・四九〇上)で『荘厳菩提心経』『大乗本生心地観経』『思益梵天所問経』などの菩提心を説く経典を挙げている。


【参考】石井教道『選択集全講』(平楽寺書店、一九六九)


【執筆者:北條竜士】