「不行放救戒」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:32時点における最新版
ふぎょうほうぐかい/不行放救戒
『梵網経』に説かれる四十八軽戒のうちの第二〇戒。はじめにまず仏弟子たる者は慈心をめぐらし、捕らえられた生き物を解き放す放生を行ぜよとする。六道の衆生はみなこれ我が父母であり、これらを殺して食する肉食は父母や我が身の殺生に他ならないとして常に放生を行じ、人にもそのように行わせよとするのである。人が畜生を殺すのを見たときには、何としてでもこれを救護してその苦難から解き放ち、さらには人への教化として菩薩戒を講じて衆生を救度すべきであるという。また父母兄弟の命日に因んだ日には法師を請じて『菩薩戒経』を講じてもらい、その福を以て亡者を資して、人界・天界に生ぜしめるべきであるとする。もしそうしないのであれば軽垢罪に当たるとしてこれを制する。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【執筆者:袖山榮輝】