「経宗・経体」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:22時点における最新版
きょうしゅう・きょうたい/経宗・経体
経典に説かれている教えの骨格を貫く根本的な主旨をいう。隋代以後は経宗・経体の同異について盛んな議論がなされ、天台智顗は経宗と経体を区分すべきであると主張し、『法華経』の場合は因果を経宗とし、諸法実相を経体とする。『観経』の経宗・経体については諸説があり、吉蔵『観経義疏』(浄全五・三二七上)は経宗・経体が不一不異であるとの立場から、『無量寿経』と『観経』はともに不二が経体であり、因果が経宗であるとする。善導『観経疏』には「今、この『観経』は、すなわち観仏三昧を以て宗とす。また念仏三昧を以て宗とす。一心に回願して、浄土に往生するを体とす」(聖典二・一〇六/浄全二・三下)とあり、観仏三昧と念仏三昧を経宗とし、一心回願往生浄土を経体とするとの解釈が示されている。
【執筆者:工藤量導】