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「福智」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:32時点における最新版

ふくち/福智

福徳智慧。善行による福徳利他悟りのための智慧自利に属する。菩薩の修める行はこのいずれかにあたり、双方を完全に具えたものが仏とされる。『涅槃経』二七(正蔵一二・五二三上)には、六波羅蜜を能く修することによって智慧荘厳福徳荘厳の二種の荘厳が具わり、仏となることが示されている。また、『徹選択集』下には「六波羅蜜を分って二と為す。前の五を福と名づけ、第六を智と名づく。此の福智二厳具足円満するを名づけて仏と為すなり。また六波羅蜜を俱に福と名づけ、俱に智と名づく。福即ち智、智即ち福なるが故なり」(聖典三・三一三/浄全七・一〇七上~下)と説かれ、六波羅蜜を前の五つ(布施持戒忍辱精進禅定)を福、第六(智慧)を智と分けている。しかし、六波羅蜜すべてが福徳でもあり智慧でもあるとし、そのため福徳智慧が相即関係であるとしている。浄土宗で用いる『施餓鬼会宣疏』に「遠くは則ち二厳を成ぜしむ」とある二厳とは、この福智二種荘厳のことを指す。


【資料】『浄土宗法要集』上


【参照項目】➡福徳智慧


【執筆者:宮田恒順】