「念仏選摧評」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:31時点における最新版
ねんぶつせんざいひょう/念仏選摧評
一巻。真迢撰。奥書によれば寛永一七年(一六四〇)述。日蓮宗から天台宗に改宗した学匠である真迢が、法然の『選択集』を批難した明恵の『摧邪輪』を論破し、念仏の真意を説いたもの。内容は初めに大綱を総評して、法然、明恵両上人の見解の相違は多いが、その相違の中心は菩提心の有無にあり、その根拠が法然は善導の義に依り、明恵は浄影寺慧遠らの諸師に依るもので、双方に一義ありとする。また別に評して、明恵が『選択集』について挙げた一六の過失を批判して反駁し、その上で、自身(真迢)は浄土門の学者でないため法然に追随するものでないが、汚れ乱れた時節と罪悪の劣機を考えるとき、おのずから法然浄土教の宣揚をせざるをえないと自らの態度を明かしている。
【所収】浄全八
【参照項目】➡摧邪輪
【執筆者:伊藤弘道】