「念仏三毒滅尽不滅尽之諍論記」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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ねんぶつさんどくめつじんふめつじんのじょうろんき/念仏三毒滅尽不滅尽之諍論記
一巻。『念仏三毒滅尽不滅尽諍論筆記』ともいう。盛林著。江戸時代初期に浄土宗内におこった、念仏によって三毒の煩悩が滅するかどうかについての論争をまとめたもの。この論争の焦点は罪障と煩悩を同等に扱うか否かにあり、滅罪論者の増上寺一二世存応らが称名念仏によって煩悩も罪障とともに滅して往生するとしたのに対し、不滅論者の金戒光明寺二六世盛林は、根本となる煩悩から罪障は生じたものであり、念仏によって滅罪はしても煩悩が滅することはないが、煩悩未断の者であっても往生できると主張した。元禄三年(一六九〇)写本が大谷大学図書館などに所蔵される。
【執筆者:編集部】