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「宗祖の皮髄」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:26時点における最新版

しゅうそのひずい/宗祖の皮髄

山崎弁栄著。大正五年(一九一六)一二月、一音社刊。如来光明会祖の山崎弁栄が、同年の知恩院における夏安居げあんご浄土宗教学高等講習会で「宗祖の皮髄」と題して講述したものの講義録。内容は「われらは宗祖の聖き生命、霊的人格を欣慕して止まず。ついては宗祖の霊的人格の内容実質はいかなる要素をもって形成なされしか。いかに安心を立て、いかに起行して、かかる霊的人格に倣い得らるるか」を主題とし、「本講は、安心の形式よりは功果の内容養成を目的とするをもって、かかる講題をえらべり」として、具体的には「いま宗祖の内容を窺うべき道詠十首をえらみ、それについて霊的人格の内容実質を形成したるわが祖の種子を世に播布せんとす」(三四頁)と言って、法然の歌を素材として、そこに念仏の深まりを内容実質(髄)として語る。本書の初版本は、A五判で講述者の添削を経て、総本山知恩院法教科長井上徳定校訂並跋のもとに出版された。また昭和三一年(一九五六)一二月に光明叢書第四篇として光明会本部聖堂から発行され、さらに平成二年(一九九〇)二月に藤堂恭俊監修のもとで『宗祖の皮髄 改訂版』が光明修養会から出版された。この改訂版では、「註記」を藤堂俊英、「『宗祖の皮髄』の成立」を藤堂恭俊、「草稿史料探訪及び初版本写真紹介」を江島孝導、「弁栄聖者のご光跡」を荻野円戒の諸師が担当している。


【所収】『浄土宗選集』一六


【執筆者:藤本淨彦】