「式師」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:26時点における最新版
しきし/式師
一
講式という法会で式文を捧読する役。式文をすべて一人で捧読する場合と、各段をそれぞれ担当する場合がある。また、自席で捧読する場合と、登礼盤して捧読する場合とがある。式師が唱える講式節は、語り物音楽の原型である「平曲」を生み出した。転じて、法会に出仕する僧。式衆ともいう。堂内の最前列に着座し、声明などを唱え、行道等の作法を行う。個々人を式師といい、法要に出仕している式師の総称を式衆と称している。ただし、維那・声明礼讃等の句頭は式衆のなかから選ぶが、導師・会奉行・典謁・随喜(出勤)寺院などは式衆に含まない。知恩院は式衆会、増上寺は式師会と称している。
【参考】『金田一春彦著作集』五(玉川大学出版部、二〇〇五)
【参照項目】➡式衆
【執筆者:西城宗隆】
二
法階としての式師。「法式に関する規程」(宗規第二九号)には、「法要及び儀式等に精通し、その伝承研究、指導及び普及に従事する者」とある。法階としての式師は六級式師~一級式師、二級法式教師、一級法式教師、法儀司(法儀職)の九法階としている。教師資格を取得した者については、六級式師が新叙任される。五級から二級式師までは、その年度以降に検定試験を合格した者に進叙される。二級式師叙任後、中央法式講習会の課程を二回以上修了し、その年度の翌年度以後に検定試験に合格した者は一級式師に進叙される。一級式師にして、その道の研究及び指導の任に当たる資格があると法式審議会が認めた者に二級法式教師が叙任される。さらに、法式の蘊奥を究め、研究指導に功績ある者と法式審議会が認めた者は一級法式教師に叙任される。
【参照項目】➡法儀司
【執筆者:坂上典翁】