「三千威儀」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:24時点における最新版
さんぜんいぎ/三千威儀
二巻。具には『大比丘三千威儀』。『三千威儀経』『大比丘三千威儀経』『大比丘威儀経』『大僧威儀経』などとも称する。後漢の安世高訳とされるが実際には訳者不詳で秦代(前秦・後秦)の訳出と推知される。比丘の行持すべき所作について規制と心得を説いたもの。上巻の初めに仏弟子を大別して在家・出家の二種とし、在家は五戒を本として人天の福を求め、いまだ家・眷族・縁累を捨てることができないことを説き、出家については上中下の三類に分け、まず十戒を本とするといい、下中上の順に出家の特質を述べた後、比丘の威儀、生活用心について説いている。下巻の終わりに薩婆多部等の律の五部派において用いる袈裟(法衣)の色に区別があることを述べている。上巻には袈裟被着法・経行・上高座・坐法など、下巻には十二頭陀・持錫杖・犍稚などについて説かれており、上下通じて一千余の項目にわたって指示されている。
【所収】正蔵二四
【資料】『出三蔵記集』四、法経『衆経目録』五、『開元釈教録』一、『開元釈教録』一三「別録」
【参考】平川彰『平川彰著作集』九「律蔵の研究」一(春秋社、一九九九)
【執筆者:原口弘之】