「無量寿宗要経」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:34時点における最新版
むりょうじゅしゅうようきょう/無量寿宗要経
一巻。『大乗無量寿経』『宗要経』ともいう(『宗要経』の通称は尾題から採っている)。ⓈAparimitāyur jñāna-nāma-mahāyāna-sūtra。訳者未詳。異本に宋・法天(—一〇〇一)訳『大乗聖無量寿決定光明王如来陀羅尼経』がある。またチベット語(訳者未詳)、コータン語、ウイグル語、西夏語などにも翻訳されている。内容は釈尊が舎衛国において文殊菩薩を対象に説法した教説が記されており、この経典を書写する者は現世において寿命一〇〇歳を保ち、死後は阿弥陀仏の極楽浄土に生まれることや無量寿決定王如来の一〇八の名号を憶念・書写・読誦することで得られる功徳を説く。「宗要」は「陀羅尼」を意味する。諸本によって異同が多く、極楽浄土の位置を西方ではなく上方とするもの、称える仏名や陀羅尼に異なるものがあるなど内容が一定せず、全般的には「浄土三部経」とやや趣を異にする。敦煌から多数の漢訳本とチベット訳本が出土したことや中央アジアの諸言語に翻訳されていることから、同所での書写の盛況ぶりがうかがえる。
【所収】正蔵一九、Hoernle R.: Manuscript Remains of Buddhist Literature found in Eastern Turkestan, Clarendon Press, 1916
【参考】御牧克己「大乗無量寿経宗要」(『講座敦煌』七、大東出版社、一九八四)、上山大峻『敦煌仏教の研究』(法蔵館、一九九〇)、藤中孝司・中御門敬教「阿弥陀仏に関するジターリの信仰と実践」(『佛教大学総合研究所紀要』一一、二〇〇四)
【執筆者:工藤量導】