「伝信空筆の御影」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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でんしんくうひつのみえい/伝信空筆の御影
法然の御影の一つ。金戒光明寺蔵。浄土開宗八〇〇年の昭和四九年(一九七四)四月に金戒光明寺の宝庫から見出されたもので、画中の向かって右に「源空上人御歳四三、承安五年に善導大師の観経疏により諸行をすて専修念仏の行者となられ、余(信空)日夜常随してこの影像を画いた」(原漢文・要旨)とあり、左下に「安元二年丙申仲秋十八日信空(花押)」とある。信空は法然から黒谷本坊(元黒谷)と白川本坊・本尊・聖経などを相続し、『七箇条制誡』では最初に署名した法然門下の最長老であった。したがって信空筆の真偽はともかく、金戒光明寺にふさわしい御影といえよう。御影は立像で合掌し、黒衣・大師衣で法然の御影では珍しい右向きである。成立は一五世紀頃とされている。
【参考】『紫雲』五七(大本山金戒光明寺、一九七四)【図版】巻末付録
【執筆者:成田俊治】