「大師五条」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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だいしごじょう/大師五条
五条袈裟(安陀会)の様式の一つ。浄土宗においてはこの大師五条と如法衣形式の五条がある。浄土宗で多く用いるのはこの大師五条であり、顕色と壊色の二種がある。法然が用いていたことから特に「大師衣」と言う。大雲の『啓蒙随録』初編二には「吉水大師の影なる白五条は、昔北嶺にて隠者の服なりと云う。故に隠者袈裟と名く。色も種々あり。西京浄華院に在る所の古衣(大師親被なり)は青色なり。今時世に大師五条と称して、形ばかり彼の製に倣い、錦綺等にて造るは非なり。隠者衣なれば必ず布麻壊色なるべし」(『明治仏教思想資料集成』二・二四二、同朋舎出版、一九八〇)とある。この形式の袈裟は平安時代の天台宗に始まり、のち真言宗や浄土宗、浄土真宗、日蓮宗などが用いている。荘厳服のときは顕色の五条以上の袈裟を被着し、直綴(茶色・黒色)と半素絹(黒色)のときは、壊色の五条袈裟を被着する。
【参考】堀井慶雅『法式教案』三五(私家版、一九三八)【図版】巻末付録
【執筆者:大澤亮我】