がんぎょう/願楽
願も楽もともにねがい求める意。尊い教えを聞くことを心から求めること。『無量寿経』上に、釈尊が阿弥陀仏の教えを説くことを宣言し「阿難、諦かに聴け、今汝が為に説かん」(聖典一・二一九/浄全一・四)と告げたのに対して、阿難が答え「願楽すらく、聞きたてまつらんと欲す」(聖典一・二一九/浄全一・四)と聴聞することを願い求めている。また、善導『観念法門』末尾に『木槵経』を引き、日々多忙の中で称名行を重ねた波瑠璃王が如来の応現を「願楽を以て、心を逼て三日食せず」(浄全四・二四〇下/正蔵四七・三〇上)に心から願った様が示されている。
【執筆者:渋谷康悦】