鉄製の鉢。修行僧が施食を受ける器物。「鉢」はⓈpātraの音写語・鉢多羅の略。応量器おうりょうきと訳される。出家教団では三衣一鉢のみが私有物と認められたが、その中の一つにあたる。鉢には、鉄鉢と瓦鉢がはつがあり、釈尊が石製の鉢を用いたことから木製は禁じられ、一般の多くは鉄製の鉢を用いた。後世、木鉢に漆塗りにしたものがあるが本義ではない。
【参照項目】➡三衣一鉢
【執筆者:神尾敏英】