こんごうぞうり/金剛草履
丈夫な草履の意味で、略して金剛ともいう。藁金剛・藺金剛・板金剛などの種類がある。『四十八巻伝』三四には「凡そ上人の一期の威儀は、馬・車・輿等に乗り給わず、金剛草履にて歩行し給き」(聖典六・五四九)とある。また『翼賛』に、天台宗の安然が草履を金剛の性体(正体)とした説を記すが、『類聚名物考』二四〇の「装飾部四」に、「何にもあれつよきものを金剛というより草履の類いも昔は金剛草履といいし…」(第五冊目三一八)とあるのに由来する。東大寺指図堂(龍松院)の法然像は金剛草履を履いている。
【資料】『四十八巻伝』三四、『類聚名物考』二四〇「装飾部四」
【参照項目】➡龍松院、金剛
【執筆者:舩田淳一】