死ぬこと。または死期を悟って、この世に別れを告げる意味を込めて作る、漢詩、和歌、偈頌げじゅ、俳句などのこと。絶命の詞、辞世の頌などともいう。中国の北宋時代から始まったとされ、日本では鎌倉時代以後、浄土教や禅の広まりにつれ、行われるようになった。浄土宗の僧侶は念仏を称えて往生するから、往生伝などでは辞世が強調されていることはないが、勢誉愚底の辞世や存応が了的にあてた遺偈などが有名。
【執筆者:西村玲】