謗三宝戒
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうさんぼうかい/謗三宝戒
仏・法・僧の三宝をそしることを禁じた戒。このようなことを誰かに教えて、させることも禁止されている。十重禁戒の第一〇番目の戒であり、菩薩の波羅夷罪である。不誹謗三宝戒、毀謗三宝戒、助謗三宝戒などともいわれる。また『授菩薩戒儀則』(黒谷古本)では、不誹謗三宝戒と呼ばれる。菩薩は、仏教徒以外の人や悪人が仏をそしるのを聞いたときには、自らの心が切り刻まれるような思いをすべきであり、また人々を教え導くことを役目とするのに、自ら三宝をそしり、あるいは他人に三宝をそしらせ、悪人を増長させ間違った考えを助長させるのであれば、波羅夷罪とされるのである。
【資料】『梵網経』、『菩薩戒義疏』
【執筆者:石田一裕】